第37回:コロナ禍における介護・福祉事業所運営

会議レポート

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●日時:2021年3月23日(火)16時00分~17時00分
●場所:WEB会議(ZOOM)
●参加団体:22団体(運営9団体含む)
●参加人数:27名(運営スタッフ14名含む)

1. コロナ禍における介護・福祉事業所運営(2度目の緊急事態宣言を受けて)

○竹上勝氏(有限会社トーキン)
※第16回でもお話いただきました。(https://otagaisama-aichi.xxxx.jp/post-492/

 名古屋市南区で介護・福祉事業を行っています。前回はR2年の9月で第2波のときでした。介護事業中心にお話させていただきます。介護事業は大きく分けて3部門あります。老人ホーム、訪問介護、デイサービス事業があります。また、児童の放課後等デイサービス事業もあります。

 南区は、日本の武漢ともいわれるくらい、感染が広がりました。当事業所でも早々と休止を行いました。その中でもできることを模索しました。売り上げは6割になりました。緊急事態宣言で休業するなか、スタッフの給料確保の問題もあります。その中で生み出したのが、訪問型デイサービスです。早い決断ができてよかったと思います。コロナ禍でも感染防止対策をしてやれたと分かったことが良かったと思います。老人ホーム運営は問題点がたくさんあります。他の老人ホームもほとんどが閉鎖されました。この問題になったのは、職員の働き方やケアです。職員からの感染が心配になります。職員の余暇も行動制限することになりました。今は、だいぶゆるくなったと感じます。訪問介護のほうも、問題は同じですナーバスな問題です。訪問看護もあり、そこから教えてもらうこともありました。感染対策で重装備しながら行いました。

 第1波と現在の状態の違いは、情報です。第1波のときは、噂とテレビの情報のみでした。今となっては情報量が増え、安定してきたと感じます。第1波のときは南区の感染拡大もあり、感染者もどこか他人事でしたが、第2波になって、感染することが身近になりました。スタッフの家族が濃厚接触者になるなど、その対応が山場でした。厚生労働省や名古屋市がだしている濃厚接触者の概念を確認しました。第3波は、より逼迫していました。濃厚接触者ではなく、感染者も身近になりました。最終判断は、保健所からの指示に準じました。そして、体調管理と検温も徹底しました。

 このコロナ禍で、「やるべきことはやってきた」。いっぱいマニュアルが専門機関からでています。マニュアルをみて、対策を行い、それでも感染者がでたら仕方がない。マニュアルをしっかりやることが大切です。

 感染対策に関連する営業も多く、判断材料にも困りました。次亜塩素酸水もでていましたが、アルコール以外は認めないことにしました。エビデンスの徹底をしました。今年の法改正でBCPもありました。責任感の問題があります。どこの判断でおこなったか、このBCPに沿い、コロナ禍での感染対策は厚生労働省をエビデンスとして判断しました。私は責任者なので、どう判断するかが大切です。マニュアルをしっかり整え、国からの支援も活用しました。防護服の整備も行い、コロナだけではなくノロやインフルエンザにも活用できると感じています。このコロナ禍で、恐ろしい思いもありましたが、職員全体で感染症を学ぶ機会になり、職員の位置づけとしては良かったと感じます。最近の傾向として、生活制限をかけれなくなっていますが、マスクや感染対策の意識付けを行なっています。今後は検査についても取り組んでいきます。多少なりとも安心感はえられると感じます。一番大変だったのは、職員の確保です。いかに休まない根拠をしめせるか、です。今は抗原検査キットを使っています。抗原検査は賛否両論ありあますが、出勤する、安心のための指標として活用しています。一般的な病院での検査は、2万円かかります。そのため、事業所に導入しました。感染者がでた事業所の方のお話をきくと、職員が半分休みになり、マンパワーに頼るしかない。過労になってしまいます。これはどこもそうだと思います。人材の確保は、外からひとを借りることができません。自社内でなんとかしないといけません。

 ほかに大きな変化は、補助金を活用したICTの導入です。各事業所ごと横のつながりができました。Wi-Fi環境も全事業所で配備ができました。感染対策を行いながらのデスクワークもできました。書類の整備も円滑になりました。

 課題は、いくつかあります。職員のメンタルケアです。生き抜きになる飲み会などもできていません、面談も最小限です。コミュニケーションを最小限にしていますので、不安や孤立感もあるのではと感じています。今からの大きな課題です。利用者さんのメンタルケアも重要になっています。ちょっとした買い物も気を遣います。第4波に向けて、大きな課題になると思います。

2. グループセッションでの意見・感想等(ブレイクアウトセッション全5グループ)

○レスキューストックヤード・浦野:通常の収支と比べて、今回はどうだったんでしょうか?また、メンタルケアで離職した方や通院されたかたはいらっしゃるのでしょうか?

 ⇒竹上氏:離職者もでました。豊橋や刈谷から名古屋方面に勤務されていた方は感染対策のため、離職されました。収支として減ったのはデイサービスです。児童デイサービス、老人ホームはほぼ変わりません。もしデイサービスをメインにしている事業所さんは大打撃かと思います。4月からの法改正で閉める事業所も多いと感じます。

○名古屋市市民活動推進センター・増田氏:以前のおたがいさま会議でも、コロナ感染へのリスクを避けるために外部との接触や色々な活動を減らすことで、とADL(日常生活動作)が下がってしまうことへの言及がありました。コロナのリスクをとって、外部からの職員を絶ったことで、非常にリスクが大きい施設なのでコロナ感染防止が優先になるとは思いますが、利用者さんのADLは低下したのでしょうか?ADLへの影響と言うのはありましたか?

⇒竹上氏:根拠はありませんが、下がったと感じます。様々なところと情報交換をして対策をしたことで早期にデイサービスを再開できたことはよかったと思います。今後なんとかしていきたいと感じます。

○コーディネーター・根岸:地域包括ケアを担うところですが、対応が冷たいと感じましたので、声をあげていくことが大切との意見もでました。利用者と支援者のメンタルケアをリモートでなにかできないかと感じました。週に1回、なんでも話せる、オンライン広場を職員でやっていることもご紹介しました。どこの線引きになるかということは、当事業所ではさらに厳しい基準をつくりました。

○名古屋市社協・野川氏:竹上さんがリーダーとして、しっかり判断基準をつくっておこなっていたので、職員は働きやすかったのではと感じます。事業所同士の意見交換するネットワークなどはありますか?

⇒竹上氏:個人名はだせませんが、あります。早く訪問型のデイサービスができたのもそこからのアドバイスです。

○ゲストから一言/竹上氏

最後にPRさせてください。障がいがある方向けの柔道教室を行っています。みなさんに周知する機会がありませんでした。スペシャルオリンピック愛知で、初めて柔道に取り組みます。今度は広島、そして世界大会も開催目指しています。ボランティアスタッフが足りませんので、ぜひ気が向いたらお手伝いしていただけましたらと思います。

3.新コーディネーターのご紹介

○コーディネーター・栗田:おたがいさま会議では、現在のコーディネーターのみなさんに加え、デンソーの鈴木さん、日本福祉大学の菊池先生にもご参加いただくことになりました。これでNPO、行政、社協に加え、企業、研究者のより多様なセクターからのご意見を頂戴することができます。全員ボランティアで活動しています。想いを大切にしながら新年度も引き続き会議を継続していきます。

○新コーディネーター・菊池:ネットワークは緊急時にも役立ちます。このようなネットワークが普段からもできていること、素晴らしいと思います。今後も力添えできたらと思います。

○新コーディネーター・鈴木:企業の持続可能な社会へとの関わり合いが大切になってくると思います。

4.次回以降のご案内

※3月30日は年度末のためお休みです

【おたがいさま会議 2021年4月分のご案内】
・4/6火16-17時:ポストCOVID-19の社会経済動向と能動型非営利組織への期待
スピーカー:小竹暢隆(元・名古屋工業大学大学院 社会工学専攻 教授) 

・4/13火16-17時:おたがいさま会議の1年をふりかえる
スピーカー:おたがいさま会議コーディネーター・事務局

・4/27火15-17時 ※1時間長いです
ポストコロナ時代の市民活動の戦略を探る おたがいさま会議ver.
スピーカー:松原明(元・認定NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 代表理事)

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